2012年7月21日土曜日

若一王子神社流鏑馬神事2009

若一王子神社(長野県大町市)で行われた流鏑馬を見学してきた。
・・・といっても今年(2012年)の流鏑馬ではなく、3年前(2009年)の流鏑馬を紹介する。

今年は大町市で流鏑馬サミットが開催されたこともあり、3年ぶりに流鏑馬を見学に行こうと準備していたが、欠席できない用事ができたので、3年前の流鏑馬をレポートすることにした。

今年、大町市では「流鏑馬サミットin信濃大町」と称して各種イベントが行われている。サミット期間中の7月15日(日)には、各地の保存会が参加するシンポジウムが開催された。各保存会が抱える問題や課題などが話し合われた。

馬の調達、安全問題、地域コミュニケーションの希薄化、古式の維持、観光と文化財の共生など各保存会に共通する問題と課題が発表された。特に今年は、いかにして古式を維持しながら観光と結び付けていくかという具体的な課題が中心となった。

若一王子神社の担当者からは、「品格なくして地域なし」という理念の下に神事と祭事を分割して古式の維持と観光の両面を同時に取り組んでいる事例が発表された。古式としてしっかり受け継ぐべきところと観光資源化するところを分けるという考え方だ。

伝統文化の場合、心と形が重要になるのではないかと思う。いくら形だけの伝統を受け継いだとしても、心のない伝統は安易に形を変えたり、中断されやすい。日本各地にも大きく形を変えてしまったり、中断された事例が少なからずある。長い間に変化するのは自然なことだが、短期間のうちに変化してしまった事例もある。

伝統を受け継いでいくことは難しい。人から人へと受け継いでいかなければ、正確に受け継がれず変化しやすくなってしまう。

今後も継続的に流鏑馬サミットが開催され、各保存会が抱える問題や課題が話し合われていくことはとても有意義なことだと思う。また流鏑馬に限らず民俗芸能や郷土芸能の保存会にも共通する問題と課題はあると思うので、そういった保存会とのシンポジウムもおもしろいと思う。

レポートとスライドショーを作成したので、よろしければご覧下さい。