2012年4月27日金曜日

(告知)流鏑馬サミット in 信濃大町

華麗で優美な稚児流鏑馬で知られる若一王子神社のある長野県大町市で流鏑馬サミットが行われる。7月に開催される予定で詳細はまだ決まっていないようだ。平成22(2010)年、初めて埼玉県毛呂山町で行われて以来2年ぶり2回目の開催となる。

前回と同じように、サミット期間中に各地の流鏑馬保存会が参加するシンポジウムが開催される。シンポジウムでは伝統を継承していくことの難しさや課題などが話し合われる。

前回のシンポジウムでは、年々確保が難しくなってきている「馬の調達」、馬の扱いに慣れた人間がいなくなったことによる「安全問題」、「地域のコミュニケーションの希薄化」、「古式の維持」、「観光と文化財の共生」など各地の保存会が抱える共通テーマを中心に話し合われた。

流鏑馬のみならず民俗芸能や郷土芸能といった伝統を継承していくことは容易なことではない。時代を振り返ってみても、戦争や経済不況といった社会が不安定な時期ばかりではなく、高度経済成長期にも中断・縮小された事例も多い。

昨年の震災で、岩手・宮城・福島の東北三県で590以上の無形民俗文化財が津波や原発の被害にあっている。津波で道具を流されても再開した事例もあるが、伝統継承者が避難していて被害状況すら確認できない事例もある。

参考 被災地の郷土芸能の現在(社団法人全日本郷土芸能協会)

前回のシンポジウムは、流鏑馬に限らず日本各地の民俗芸能や郷土芸能に通じる問題が話し合われたという印象だった。今回も伝統を継承する難しさや課題がテーマになると思う。

現在の政治や経済から判断して、これからしばらく民俗芸能や郷土芸能にとって逆風の時代が続くものと思われる。今回のサミットは、失われつつある日本の文化を考える良い機会になるのではないかと思う。

【長野】流鏑馬サミット in 信濃大町

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